2012年11月9日

第37期棋聖戦挑戦者決定戦

第37期棋聖戦の挑戦者決定戦は、318手までで白番井山四冠が半目勝ちを収め、張栩棋聖への挑戦を決めました。

読売中継サイト

USTREAMの中継動画ページ



 黒 高尾紳路 白 井山裕太 白の半目勝ち

 いい碁を見ると、ずっとその余韻に浸っていたい部分があるのか、却って何も語る気が起きなくなってきますね。

 3年連続で同じ顔合わせとなった井山―高尾の棋聖戦挑戦者決定戦でしたが、昨日USTREAMの動画中継や読売のライブ中継と合わせてプロ棋士によるtwitter解説などもあって、非常に盛り上がりましたね。他のリーグ戦は中継も行わることがない為、棋界最高タイトルであるこの棋聖戦の挑戦者決定戦こそが、囲碁界の一番長い日って感じの囲碁界のお祭りイベント的な位置づけの対局と言えるかもしれません。

また対局者が井山四冠と高尾九段の二人というのも盛り上がる要因となりましたね。どちらも張栩棋聖へのリベンジが掛かっている上に、井山四冠は七冠制覇へ向けて負けられない一戦だったし、高尾九段の方は師匠にゆかりのあるタイトルということで特別な思い入れがあるだろうから、対局自体にドラマ性がありました。

 そして、対局内容も本当に大熱戦だった。去年も似たようなこと書いた気がするけど、単純なねじり合いやヨセ合いに終始するんじゃなくて、フリ替わりやコウ争いが多く絡んだ大局感や形勢判断含みのヨセ勝負というのは、勉強にもなるし一番観戦向きな気もします。常に地合いが拮抗しつつも、形勢が二転三転するというシーソーゲーム的な碁は、それほど多く見られるものでもないですからね。

そして、夜11時半に差し掛かるかという頃、去年に続いての半目勝負という形で決着がつきました。三村九段などの判断では、237手目で黒がコウを解消したあたりで黒の勝ちになったかと思われましたが、高尾九段のヨセにミスが出たようで、最後には井山四冠が半目を残しての勝利となりました。

高尾九段には惜しい一局でしたが、また来年、今度はおそらく棋聖になっているであろう井山四冠に挑戦を目指して頑張ってほしいと思います。いや、他のタイトル戦でもいいので、この二人の対局をまた見たいですね。そして、井山四冠は現在戦っている王座戦に続いて、棋聖戦でも張栩棋聖に挑戦ということで、このままタイトル奪取目指してどんどん突き進んでいってほしいと思います。

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