2013年7月26日

第38期碁聖戦第三局

第38期碁聖戦第三局は、230手までで白番の井山碁聖が1目半勝ちし、シリーズの対戦成績を1勝2敗としました。 終局は19時56分、残り時間は、4時間の持ち時間のうち両者ともに残り1分だったそうです。

 第38期碁聖戦

 パンダのサイト

 碁聖戦特設ページ



 黒 河野臨 白 井山裕太 白の1目半勝ち

黒の低い中国流に白が高い中国流で対抗するという、珍しいスタートとなりましたね。序盤は双方要所を占め合うじっくりした進行となりましたが、黒が51手目で左辺に打ち込んでいき、ここから戦いが始まりました。
白は黒をどう攻めるかが難しそうなところでしたが、60手目のオキが厳しい手でしたね。以下69手目まで黒は活きましたが、白も外回りにつく格好となり、続いて左下の黒を睨みながら白70~72と仕掛けていったのが鋭い手でした。左右の利きを見ながら、102手目まで黒を低位に押し込めて白優勢になったようです。 黒も103と踏み込んでの勝負手を放ち、110手目まで白の模様を突き破ることに成功しました。しかし、それでもまだ白に残っていたようで、井山五冠リードを手堅く守って逃げ切りました。

パンダ解説から。40手目で▲と飛んだ手は井山五冠らしい手でしたね。白模様を広げるならCの地点も考えられるところですが、▲の手の方が黒からAやBに打たれた時に強く戦えるという判断だったようです。その分黒からDの好点が残るので一長一短のようですが、実戦はEのオシに回ることができたので、一応▲の顔は立ってそうですね。

76手目の局面。白1から左下の黒を攻めに行きますが、白Aのアテを決めずにいったのがよかったとのこと。黒は8で必死にシノギを図るものの・・・

白3に対し黒4と下から受けなければならないのがツラく、以下11までとなって、白優勢になったようです。

前図黒4で、本図黒1と上から受けるのは12まで、これは黒が怖いとのことです。
当たり前のことかもしれませんが、白は4から当てる手と5から当てる手の両方の利きを見ながら打つのがうまい打ち方でしたね。

これで井山五冠、今シリーズ初勝利となりましたが非常に大きい1勝ですね。河野九段はまだ2勝1敗でリードしてるとはいえ、今局で決められなかったのはかなり痛いんじゃないだろうか。井山五冠は次の第四局まで少しは休むことができるだろうし、流れ的にはもう五分という気がします。

第38期碁聖戦第四局は、少し間が空いて8月9日(金)に日本棋院で行われる予定です。河野九段が奪取するのか、井山五冠が最終局にもつれこむのか注目の一戦ですね。では、また。

0 件のコメント:

コメントを投稿