2012年11月17日

映画『天地明察』

少し前の話になるけど、映画『天地明察』を見に行ってきたので、今更だけど記事にしたいと思います。

映画予告編


映画の感想については、まだ見てない人のネタバレになる可能性もあるのでやめておこうと思います。ただ、原作ファンの為に作られた映画っぽいところもあるので、予備知識のないまま見ると、算術や天文や改暦の重要性について、中々ピンとこないという人もいるかもしれない。

でも多分、そんなのは野暮なことで、本来映画なんてのは雰囲気や流れを楽しむものだろうから、囲碁や天体観測のシーン、安井算哲(役:岡田准一)が偉業を成し遂げていくその生き様、また妻のえん(役:宮崎あおい)や他の登場人物と関わりによって生まれるヒューマンドラマを素直に楽しめばいいんじゃないかと思われる。囲碁のシーンもそれなりに出てきます。きたろうのマジメっぷりには吹いてしまったけど(笑)。

映画の冒頭で出てきた、御城碁の棋譜を貼っておこうと思います。月刊 碁ワールド 2012年 09月号 [雑誌])に掲載されてたやつだけど、発売されてから二か月も経ってるし、問題ないと判断しました。


黒 安井算哲(渋川春海) 白 本因坊道策 192手以降手順不明

 ※この棋譜は、実際に算哲と道策によって打たれたものではなく、監修に当たった桑本晋平六段が映画の為に作った創作の棋譜だそうなので、その点ご注意ください。


碁を知らない人の為に、劇中で出てきた初手天元について説明すると・・・
まず碁盤は、劇中で言われていたように天体を模しているとも言われ、碁盤にある九つの黒い点(Aの一路左など)は、と呼ばれています。そして、碁盤の中央にある天元と呼ばれており、算哲はそれを北極星になぞらえていましたね。 通常、碁はAやその周辺など、陣地を作りやすい隅の方から打ち始めるのが普通とされている為、いきなりど真ん中から打ち始めた算哲の手を、将軍は物珍しそうに眺めていたというわけです。

その後、道策が2につけて、いきなり戦いが始まりました。この進行は、私は『ヒカルの碁』のヒカル―社戦をすぐに思い出したけど、やっぱり対局シーンが映えるような派手な進行に作ってあるようですね。
この対局は途中で打ち掛けになったけど、この盤の中央で交差した石は、算哲と道策の両者が、その後それぞれ違う道に突き進んでいく未来を暗示しているようにも見えますね。

『天地明察』はまだ公開してる劇場もあるので、まだ見てないという方は、お早めにどうぞ!

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