2012年12月2日

第14回農心杯第10戦

 今日第14回農心杯の第10戦が行われ、日本の主将・村川七段が、最終ステージ進出を賭け韓国の崔哲瀚と戦いましたが、結果は中押しで敗れ、これで日本チームは全員敗退となってしまいました。



 黒 村川大介 白 崔哲瀚 白の中押し勝ち

13手目:黒の打ち方は私(棋聖道場の解説者)は初めて見るので、村川は事前に研究しているようである。 27手目:白の方が愉快に見える。 32手目:ここの利かしは今打つのは勿体ない気もするが、崔哲瀚は保留しません。 34手目:白はとても良いとは言えないけれど、ただ厚いことは確かなので、少なくとも白が悪いということはありません。 50手目:厚みを背景に白は攻撃を始める。 59手目:白好調に見える。 75手目:黒も白の形の不備を追及するところ。 94手目:今白は、左上20目、右上10目、左下6目、下辺6目、更に眼を加えて50目あります。黒は、右辺30目、左下7目、中腹5目で42目ある。黒が勝つのに必須な中央の厚みや力関係は基本互角なので、白も挑んでくるだろう。 101手目:下の白の連絡はそれほどしっかりしたものではないので、黒が形勢をより戻しつつある。 106手目:黒が左方を先に守った為に、白も補強することができた。 114手目:現局面、白がここに一手かけて補強したことによって、白は形勢有利と言える。 131手目:崔哲瀚は読みも計算も精確だ。黒の損害は大きい。 134手目:このままでは黒は盤面でも足りないだろう。 140手目:黒は白を少し値切ったが、この程度ではまだ足りない。 162手目:現局面、黒は盤面でもだいぶ負けているだろう。

総評から:黒の9は新手で、23手目では26手目のところに守るぐらいだった。44手目の時点で白の方が打ちやすく見える。65手目がぬるく、白の72手目のところに打って食いつくところ。74までに至って、白が良く見える。白は80のところに打つ前に、90のところに出るべき。97から黒は非常手段にでる。黒105手目で110手目のところに打って反撃に出るべき。白が108に打った後では、黒の考慮の余地がなくなった。122が決定打。総じて言えば、崔哲瀚に一度危機はあったものの、力によって勝ちを引き寄せた。

※棋聖道場からの私独自の翻訳


今日の碁だけど、私は序盤の新手について、「何故研究済みの手を打って悪くなるのか?、本当に研究済みだったのか?」という疑問はあるんだけど、それは置いといても、村川七段らしい思い切りの良さのようなものが感じられなかったのは残念でしたね。

そして、これでまたしても農心杯は第2ステージ敗退ということになってしまったわけだけど、戦力差がある以上、それについてとやかく言うつもりはありません。むしろ1勝できただけで私は奇跡とさえ思っています。

それより来年以降ついてだけど、私は今回については、若手を起用したことについて賛成してたし思い切った試みだと思ってたけど、しかしこれから先も、若手の強化の名目のもとに選考基準も明確にしないまま若手が国際戦に送られ続け、そしてそれ以外に若手強化の為の具体的方策が打ち出されないということになれば、流石にそれはまずいと思うので、せめて代表予選を行うなり、トップ棋士が出場できるよう日程を合わせるなりの何らかの改革が行われることを願いたいと思います。

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