2013年4月18日

第51期十段戦第四局

今日、第51期十段戦の第四局が大阪市日本棋院関西総本部で行われ、179手までで黒番の井山十段が中押し勝ちし、シリーズの対戦成績を2勝2敗のタイに戻しました。終局は17時45分、残り時間は両者ともに残り1分だったそうです。

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 産経ニュース十段戦第四局 



 黒 井山裕太 白 結城聡 黒の中押し勝ち

今局も両者の棋風そのままに最後まで激戦が続きましたね。
序盤両者大場を打ち合った後、黒が15手目で左上に入っていき、ここから局面が動き始めましたね。黒19のケイマに対し、20手目のコスミツケから切断にいったのが結城九段らしい厳しい着想で、戦いが激しくなっていきます。
左辺の競り合いの最中、黒が39手目で中央に飛んだ手が、白から同点への圧迫を防いで好点だったようですね。当然左上の黒が心配になってきますが、井山六冠はその辺の死活は確認済みのようで、49手目のオシから57手目のケイマまで右下一帯に模様を作ることに成功します。
白は58手目から模様に手をつけてきますが、先手で下辺をおさまり右上に先行しては、白がうまく立ち回った格好のようですね。結城九段、初の十段位に近づいたかと思われましたが、その後98手目のケイマが一瞬の隙だったらしく、井山六冠はその隙を逃しませんでした。113手目で黒の強烈なパンチが炸裂し、井山六冠逆転に成功します。
その後も厳しいヨセ合いが続きますが、右辺の荒らしに対し黒は139手目のコスミで応じるなど最強のヨセを見せ、白の追撃を見事振り切りました。

パンダ解説の倉橋九段によると、下辺の形を決めておいてからの黒15(113手目)のハサミツケが強烈で、決め手になったとのこと。これで、Aか▲の4子のどちらかが助からない。
98手目でAに打った手では一路左に打つべきだったらしく、それなら細かい勝負だったようである。

因みに終局図から1と出ても、以下6までで黒受かっており、これで右辺の白全滅してます。最後は投了前の形作りだったようですね。

これで十段戦は最終局にもつれこむことになりましたが、それにしても井山六冠流石って感じですね。カド番に追い込まれて当然プレッシャーもあっただろうし、前局までの勢いからすると結城九段が今日勝ったとしてもおかしくなかったと思うけど、そういった不安をよそに見事な勝ちっぷりでした。

やっぱり二週間空いたのは大きかったかもしれないですね。今日勝ったことで、最近の嫌な流れを断ち切ることが出来たし、井山六冠らしいいい勝ち方だったと思うので、逆転防衛に向けて弾みをつけることが出来たんじゃないかという気がします。本当に大きな勝利でした。
まあ結城九段も、今日の打ち方を見る限りやはり充実してるなという印象だったので、最後までどうなるかは分からないけど。
いずれにせよ、最終局も今日の碁に劣らない熱戦が期待できそうなので、非常に楽しみですね。

第51期十段戦最終第五局は、来週4月26日金曜日に大阪市「関西棋院」で行われる予定です。では、また今度!

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