2013年4月25日

坂井秀至-自戦細解

以前、打碁集の話をしたことがあったけど、あの後一冊買って並べてみたので、今日はそれを紹介したいと思います。


坂井秀至 自戦細解―囲碁

これまたずいぶん渋いところを選んだなあとか思われそうだけど、坂田がなければ坂井がいる、ということで『坂井秀至-自戦細解』を選んでみました。坂井八段の打碁集は、現在のところ、これ一冊しか出てないようですね。

ラインナップは次のようになっています。

 第1局 第30期名人戦・最終予選決勝 坂井秀至―羽根直樹戦

 第2局 第32期名人リーグ 坂井秀至―張栩戦

 第3局 第33期名人リーグ 坂井秀至―依田紀基戦

 第4戦 第23回富士通杯・最終予選決勝 坂井秀至―趙治勲戦

以上の4局を、坂井八段自身の解説で、1局につき50ページほど掛けて解説されています。

2010年に碁聖のタイトルを獲った後に出版されたものらしいので、そのタイトル戦の碁が収録されていれば良かったんだけど、主に名人リーグ中心の選局となっており、その点は少し残念でした。
もし次に坂井八段の打碁集が出るとしたら、タイトルを獲得した碁や、活躍が印象的だった富士通杯の碁などを取り上げてほしいですね。

この自戦細解シリーズは、他にも井山六冠や山下名人や結城九段のものも出ていますが、中身は全て昨年休刊となった月刊「囲碁」の人気企画、名局細解からの収録となっているようです。
なので、今までの名局細解を全部持っているという人には不要と思われます。しかし月刊「囲碁」が休刊となり名局細解が手に入らなくなった今では、一定の価値はあると言えそうなので、名局細解に興味があるという人は、手に取ってみるのもいいかもしれませんね。

ただし、高段の人とか、観賞用として楽しみたいと言う人にはあまり向かないかも知れないと言っておきます。名局細解の特徴として、一局ごとの譜分けが細かいので、並べていると局面が中々進まずストレスになりかねないので。つまり、新聞の観戦記なんかだと、平均して10~20手ごとに譜分けされてるけど、名局細解は1ページで1手とか2手しか進まないことも多いので、サクサク並べていきたいという人にはちょっと合わないかもしれない。
逆に、1手ごとの意味を詳しく知りたいと言う人や、布石からヨセまで詳しい解説が欲しいという人など、強くなりたい人向きの本と言えると思います。なので、自分の好きな棋士の名局細解で勉強したいという人にこそ、おすすめの本と言えるかもしれませんね。

  

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