2013年5月17日

第68期本因坊戦第一局

第68期本因坊戦第一局は、266手までで白番の井山本因坊が4目半勝ちをおさめ、本因坊防衛に向けて幸先良い1勝目をあげました。
終局は20時21分、残り時間は高尾挑戦者が残り1分、白番の井山本因坊が残り2分だったそうです。

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両者ともに工夫した手が多く、見どころの多い一局となりましたね。


 黒 高尾紳路 白 井山裕太 白の4目半勝ち

まず封じ手ですが、左下の打ち込みでしたね。まだあの時点では、右辺を打つのは早いということのようですね。その左下から戦いが始まりますが、71手目のサガリや83~85など黒の小技が冴え、碁は黒ペースで進行します。
しかし、競り合いの中打たれた白94手目のキリが、井山五冠らしい厳しい手でしたね。左辺白が薄そうなところだけに驚きのタイミングでしたが、結果的に見れば好判断だったようですね。ここから戦いは更に激しさを増していきます。
黒の113手目では上辺に繋がっておく手も有力だったようですが、ノビで頑張った為、左辺で大きなコウが始まりました。コウの絡んだ難解な読み比べとなりましたが、BS解説の山下名人によると、ここで左辺を捨て気味に打った高尾九段の判断に誤算があったのではないかとのことですね。先手で左辺を取られて148手目に回られては、コミがかりは必至のようです。高尾九段もヨセで挽回を図りましたが、最後まで差は詰まらず井山五冠の逃げ切りとなりました。

 第68期本因坊戦第一局

 両者のコメント

井山本因坊:1日目は駄目でした。白94と切ってから勝負になった。最後の小ヨセに入って、ようやく勝ちがみえた。

高尾挑戦者:1日目はいい勝負かと思った。白94の切りが考えていなかった手で、動転した。ただ、自分なりの碁は打てた。

パンダ解説の溝上八段が上げた本局のハイライトシーン。黒1アテ白2のツギともに勇気のいる手で、気合の応酬ですね。更に、続けて黒はAでもよさそうなところでしたが、3~5とここから打開を求めていきました。力の入った進行で感銘を受けたとのこと。

しかし、その後28までの実戦進行は黒に誤算があったらしく、後手を引いて右辺に回られては、白が良くなったとのことですね。黒7では・・・

1と打つのが有力だったとのこと。黒13までとなれば▲のところのコウとなり、コウ材は下辺にあるので、この図は黒のサバキが成功しているとのことですね。

ヨセの局面。黒1では2のところに打った方が細かかったようですね。実戦、8まででAとBが見合いになっており、白の勝ちが確定したとのことです。

というわけで、これで井山五冠、本因坊初防衛に向けて好スタートを切ることになりました。十段位の防衛ならず、余り調子が良くないんじゃないかと思っていたけど、やっぱり強いですね。
最近の調子だけでいえば、高尾九段が勝ってもおかしくないと思ってたんだけど、高尾九段惜しかったですね。でも、内容はそれほど悪くなかったと思うので、第二局以降も頑張ってほしいと思います。
私としては、今回のシリーズは、勝敗よりも面白い碁を出来るだけ多く見たいという思いが一番なので、第二局も今局に負けないぐらいの熱戦を期待したいですね。

本因坊戦第2局は、5月28日、29日に福岡県北九州市「西日本工業倶楽部」で行われる予定です。では、また!

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