2013年10月10日

第38期名人戦第四局

第38期名人戦第四局は、196手までで白番の井山挑戦者が中押し勝ちし、シリーズ3勝目を上げ名人奪取にあと1勝と迫りました!
終局は19時20分。残り時間は、持ち時間8時間のうち、黒番の山下名人が残り2分、白番の井山挑戦者が残り1分だったそうです。

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 黒 山下敬吾 白 井山裕太  白の中押し勝ち

封じ手(44手目)ですが、堂々とカケツギでしたね。封じ手予想も、ヒントに頼るだけじゃなくもっと自分で考えないとダメですね。
封じ手以降も左辺で戦いは続き、黒は57のノゾキから白を攻めますが、白も58とツケて黒の追及をかわします。62手目まで白は4子を取られたけど、左上とつながったので一応はサバいた格好ですね。

戦場は下辺に移りますが、70と白がツケこしていった時に、71とコスミつけた手が疑問手だったようで、72のツギで中央を繋がっては白に流れが傾いたようです。
更に白は右下で地を稼ぎ、地合いでリードされた黒は、119~130、146~150などの非常手段を用いながら中央の白に狙いを定めます。碁はシノギ勝負の様相を呈してきますが、しかし174~176がうまかったようで、上辺になだれ込みながら大石をしのいで白の勝ちが決まりました。

 高尾九段の感想

パンダ解説から。63手目で1とツナぐと、2から運んで14まで、これは黒が収拾つかないとのこと。

また、 前図3で黒3と切っても、白8まで黒悪いとのこと。というわけで、実戦左辺はそのままに黒は下辺に転戦しましたね。

63手目からの局面。
黒は7の手でAのノゾキを打った方が良かったとのこと(ノゾキに白ツギなら、それから7とコスんで分断していく)。白8とツケコされた時に黒9と転戦したのは変調だったようで、10とつながれて、ここら辺りで、白の流れが良くなったとのことです。

とりあえず、これで井山五冠から見て3勝1敗ということで、名人奪還まであと1勝ということになりました。碁の内容も、結果的に見れば完勝に近かったんじゃないかと思うし、全然心配無用でしたね。ここまでくれば、よほどのことがない限りはもう大丈夫だと思うので、後は気負うことなく頑張ってほしいと思います。

第38期名人戦第5局は、来週16日(水)17日(木)に、山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われる予定です。では、また。

 追記:朝日の観戦記







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