2012年10月30日

手順再生の悩み


ヒカルの碁の記事を書いてきて、元ネタの明らかになってない幾つかの碁の手順を想像で再現してみたものの、想像である以上、当然多少の誤差が生じる可能性があることは否定できない。特にヒカル―村上戦ヒカル―御器曽戦においての右下の定石手順は、私が頭を悩ませたところであった。(この二局結構布石似てるんだよな)

この形の手順をどう作るかであるが・・・

アキラ―石原戦を参考にするならこのような進行になる。私は当初この定石手順を覚え違えていたので、白が10手目で12手目のところをハネツグような変化図を作っていた。でも、この定石の9手目のオシって、私はこの碁以外で見たことないんだよなあ。



星に白がカカリ、黒が一間バサミ、白が三々入り定石の進行中、白が▲に並んだあと、次に黒はBのケイマに打つのが普通で、Aに押す人は殆どいないと思う。私が知らないだけで、Aに打つ手も昔の定石とかであったのかもしれないけど、少なくとも高尾九段の基本定石事典には載っていなかった。Aのオシでは一路上のハネダシが残るので、それを守る為に黒は後に更に一手かける必要が生じるかもしれず、それなら一手で済むBの方が働いているように見える。そういった理由から、この場面で黒がAに打つのはやや不自然に感じたので、私は白は▲のナラビではなくCのサガリを打ったのではないかと判断した。


上図は、今年の名人戦予選の秋山次郎―武宮正樹戦【棋譜再生】の局面図であるが、白の武宮九段が▲(44手目)に打った手でAに抑えれば、問題の定石形になる。実際、私はAに抑えるような変化もプロの実戦で見たことがあるので、それほど不自然な変化というわけでもないだろう。



というわけで、白8のサガリから12にまがるこの手順を採用することにしたのだが、実戦においてはこの定石に至るまでにも当然駆け引きはあるわけで、白は12のマガリではなく、13のところに飛び込む可能性だってあるわけだし、12のマガリに対してかならずしも黒が13に抑えてくれるとも限らない。一間に飛んで受けるとか、あるいは手抜きの可能性だってある。
 そういったことから、白も12のマガリを打つタイミングに気を使う必要があるわけで、それら全部の可能性を考えていくと、あっさり一本調子でこの定石が打たれたとも思えないのである。途中の分岐が余りにも多い為、それなら上から二番目の図の手順を採用した方が、変化が少ない分自然なようにも最近思えてきた。

といった感じで、どう打っても同じ形になる場合には、細かい手順までは分からないというのが正直なところである。私としては出来るだけ自然と思える手順を採用したつもりではあるが、想像で再現した棋譜についてはそのぐらい大雑把なものであるという前提で見てください。

とりあえず、この記事を最後にヒカルの碁の記事は、しばらく書かないかもしれないけど、何とかもっと勉強して、ヒカルの碁の対局を伝えられるように努力したいと思っています。また、他にも元ネタの明らかになってないヒカルの碁の対局は幾つかあるんだけど、もっと石の筋に詳しくなりさえすれば、それらの棋譜ももしかしたら再生できるようになるかもしれない。まあ相当難しいことだと思うし、多分無理っぽいけど、究極の目標ということで頑張ってみたいと思います。

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