第37期棋聖戦第三局が今日から始まり、黒番の張栩棋聖が77手目を封じて、一日目が終わりました。1日目の消費時間は、張栩棋聖が2時間23分、白番の井山挑戦者が5時間7分だそうです。
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封じ手までの手順
黒 張栩 白 井山裕太
注目の張栩棋聖の初手ですが、近年は星打ちが多かったそうだけど、今日は小目からのスタートということで原点回帰といった感じですね。左上でも実利を取って、最近の厚み重視とは打って変わって、従来の打ち方に戻してきました。
まず右辺36手目のキリから戦いが始まりますが、結果は黒は47とポン抜いて厚くなったのに対し、右下の白地は黒石の逃げ出しの具合が残っていて、それが少し気になりますね。
白は52手目から下辺に打ち込んでいきますが、左辺の価値が低いので三々に入ったり両ガカリはしにくいところ、井山挑戦者は何とツケ(54手目)を飛ばしていきました。続いて、黒ハネ(55手目)に対しヒキなら普通でしたが、白はキリ(56手目)を放ち、更に58~60のアテオシと強引に戦いに引きずりこんでいきます。
その後も井山挑戦者は70~72の上キリからノビという最強の頑張りを見せた後、下辺白を生きについたところで、77手目を張栩棋聖が封じて一日目が終わりました。
幽玄の封じ手予想ヒントでは、A~Dが封じ手候補に挙がっていますね。AとBは先に下辺の黒を守る手で、CとDは左下の守りを優先する手だそうです。
下辺にシノギがあるなら、Cに打って左下の二子を取り切ってしまうのも有力だそうですが、白が下辺に先行すると、黒が活きるのは大変そうに見えるので、黒Cと打つのは勇気が要りますね。他の候補としては、張栩棋聖ならドライにDのカミ取りを決めてしまいそうな気もするけど、私は前局で予想を外してるので、ここは無難にAでいきたいと思います。
形勢についてですが、井山五冠が苦心の手順で戦いに持ち込んだといった感じなので、黒の方がいいのかもしれないけど、戦いになった以上は下辺の決まりがどうつくかだと思うので、その怪力に期待したいと思います。
明日は下辺の戦いが更に激化することが予想されますが、下辺黒がどうなるのか、左下の伸びた二子を白はどう生かすのかに注目したいと思います。また、井山五冠はこの対局に勝つと、いよいよ棋聖に王手を掛けることになるので、頑張ってほしいですね。では、短いですがまた明日!
最近の井山5冠は、布石から、厳しい火中に飛び込む感じがします。中盤で攻められ苦しいように見え、心配するのは応援しているせいでしょうか。
返信削除井山五冠負けてしまいましたね。
返信削除応援してると、どうしても心配になるというか、危なっかしくも見えるんだけど、それで結果を残してきてるのも確かなので、私はもう、そういうタイプの棋士(棋風)なのだと思うようにしています。