今週の日曜日に、第60回NHK杯テレビ囲碁トーナメントの決勝戦が放送されましたが、結城NHK杯が井山六冠相手に白番9目半勝ちし、NHK杯二連覇を飾りましたね。結城NHK杯は、これで通算4回目のNHK杯優勝となりました。結城NHK杯、おめでとうございます!
第60回NHK杯経過
NHK杯テレビ囲碁トーナメント
決勝戦ということで熱戦が期待されましたが、最終的に大差となってしまったのは少し残念でしたね。井山六冠の方はやや不出来な碁だった印象ですが、それ以上に結城NHK杯の充実ぶりが光った一局だったように思います。
黒 井山裕太 白 結城聡 白の9目半勝ち
序盤から難解な読み比べが始まりましたが、左上の変化はどうも黒の方が忙しく、白の方が打ちやすそうに見えました。
続いて井山六冠左辺を動きだしていきますが、77手目と技を飛ばした時、78手目とおさえたのが強手でしたね。黒はコウで頑張りますが、白は88手目で地で得をしながら黒からのコウ材を消すなど、柔軟な打ち回しを見せます。黒93手目に対し白は抑えてコウを続けるのも有力だったようですが、結城NHK杯コウを解消しましたね。
黒は一応突き出して逃げることができたので勝負はまだこれからといった感じでしたが、下辺の攻防で井山六冠に致命的なミスが出たらしく、ここで形勢を損ない、あとは結城NHK杯が手堅く逃げ切りました。
▲にまがった手(121手目)が解説の小林光一九段が指摘した敗着。この手では普通に受けていた方が良かったのではないかとのこと(J5か?)。
白は当然手抜きで下辺に手をつけてくる。
少し進んだ局面。▲のツケも二路右のアテの利きを見てカッコいい手ですね。この後下辺でまたコウが始まりますが、黒がAとBの二手かけて■の一子を取っている間に、もともと黒地になりそうだった下辺が手になっては黒がハッキリ形勢を損じたとのことです。
下辺とのフリカワリで中央の黒を取られては、やはり大きすぎましたね。
これで結城NHK杯、二度目のNHK杯二連覇となったわけですが、先日の大和証券杯ネット囲碁オープンでも優勝していて、結城NHK杯何とこの短期間のうちに早碁二冠ということになりました。七大棋戦では井山六冠が無敵状態だけど、早碁に関しては結城NHK杯も同じことが言えそうですね。
そしてNHK杯のあとはテレビアジア杯ということで、確か韓国は既に出場者が決まっていて、昨年優勝の白洪淅に加えて、李昌鎬、朴廷桓の三人が出場する筈です。
私はもう国際戦はトラウマになってるんだけど、それでも今回のテレビアジア杯は、日本最強の井山六冠と早碁の鬼である結城NHK杯というベストメンバーで挑むことができる上に、テレビアジア杯は少数選抜の短期決戦であることから層の厚さの違いをあまり感じずに戦うことができるということ、更に3年ぶりの日本開催でホームでやることができるということ、また早碁棋戦なので何が起こるか分からないなど、現状考えられる最高の条件で戦うことができる舞台といえると思います。
というわけで、あまり過度な期待はしないようにしつつも、結城NHK杯と井山六冠を戦いぶりを陰ながら応援したいと思っています。結城NHK杯は3年前に準優勝してるし、井山六冠も滅多にない出場機会なので、本当に頑張ってほしいですね。テレビアジア杯は6月ごろ開催される予定です。では、また!
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