2013年9月6日

第38期名人戦第一局

第38期名人戦七番勝負第一局は、172手までで白番の山下名人が中押し勝ちをおさめ、シリーズ1勝目を上げました。
終局は18時23分、残り時間は黒番の井山挑戦者が残り2分、白番の山下名人が残り19分だったそうです。

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 黒 井山裕太 白 山下敬吾 白の中押し勝ち

63手目からの局面。パンダ解説の林子淵七段は一日目の形勢はやや黒持ちと言っていましたね。途中で少し白持ちに変わったらしく、この辺りの黒の打ち方に問題があったかもしれないとのこと。

参考図の中に、前図黒7で1とコスミ付ける変化図がありましたね。この図は難解とのことなので、実戦が悪いとすれば、黒はもしかしたらこの図を選んだ方が良かったかもしれないですね。

前図1のコスミツケに対し、白2と伸びると3以下で取られてしまいます。

85手目局面。黒1のハネは勝負手とのことですが、白も2から厳しく取りに来ましたね。ここから更に局面は激しさを増していきます。
追記:BS解説の小林覚九段によると、もし白2で右下のコウを解消すると、黒はT9で右辺を活きて右上と中央の白の絡み攻めを狙っていくとのこと。

121手目の局面。黒は右下のコウを目いっぱい頑張りながらの攻め合いを目指しますが、黒1と切った手に対し白2と上からアテたのが冷静な一着だったらしく、また白8のキリが勝着になったのこと。黒は右下を取ることに成功したものの、右上での損失が大きく、16の抜きに回られては形勢がハッキリしたとのことです。

これで山下名人の先勝となりましたが、やっぱり二日制になると山下名人強いですね。
去年の本因坊戦の時も、死闘の末に何とか井山五冠が奪取したという感じでしたが、今回もまた似たような展開になりそうですね。
井山五冠からすれば、山下名人のスピーチどおりに誕生日プレゼントを献上する形になってしまったわけだけど、でもまだ七番勝負始まったばかりなので、気持ちを切り替えて次頑張ってほしいと思います。
第2局は、9月19日(木)・20日(金)に広島県尾道市「西山別館」で行われる予定です。

記事を書くときに、私は大体パンダ解説を引用してるけど、あとで『碁ワールド』とか読むと解説内容が微妙に違ったりといったことがあるので、出来るなら新聞や書籍等できちんとした解説を見ていただくことをおすすめします。名人戦は、数週間もすれば朝日のサイトに観戦記が載るので、それを待ってもらった方がいいかもしれません。では。

《追記》朝日の観戦記

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