2012年1月24日

ヒカルの会心譜

ヒカルの碁には、読んでるだけでテンション上がってくるような対局シーンが幾つもありますが、ヒカルがプロとして実質的なスタートを切った、14巻のラストから15巻の初めにかけての一局もかなり燃えますね。
「ヒカルが神の一手に続く道を歩みだす――私ではなくヒカルが――神のさだめたこの運命には抗えないのか――!?」という佐為のセリフもヒカ碁の名台詞の一つに数えられると思います。



 黒 進藤ヒカル初段 白 鈴木歩三段

コミックス見ると76手目から元ネタが改変されてるようなので、アニメ見ながら修正しておきました(あくまで想像で作った手順ですが)。

因みに元ネタ→【棋譜再生】 黒 劉昌赫 白 呉淞笙


35手目の局面。左上で妖刀定石が発生し、実利と厚みのワカレになるも、鈴木三段は下辺を重視。結果、せっかく作った上辺の厚みが攻められるという事態に。
「くそぉ、打ちにくい、いや打ちにくい碁にされているんだ。流れを変えないと、流れを!」というセリフからも鈴木三段の苦悩が伝わってきますね。
私は1~3の黒の連携が雰囲気出ててカッコいいと思います。1から右に一間に飛ぶのでは、後から追いかけてるみたいで攻めにならないかもしれない。だからもう一路右に打ちたいわけですが、二間トビは薄いですからね。一路右に進める為に一路下に退いた3の大ゲイマが一番白に対して圧力掛かってる気がしますね。

鈴木「れ・・・連絡はできた・・・できたが代わりに俺の白模様に手をつけられては大損か。くそっ、逆転できる場で残っているのは右辺だけだ。イチかバチかの打ち込みしかない」
因みに白の立場からすれば、右辺じゃなくて左辺ですね。

佐為「これがヒカルか・・・これが」
鈴木「オ、オレのなかば無謀な攻めに対してコイツはただ確実に守っていればいいだけなのに」

鈴木「守るどころか、は・・・反撃してくる!」

鈴木「・・・ありません」
佐為「ここまで成長したとは」

因みに終局図からどう打つのが最善なのかは分かりませんが、右辺の白を助ける為に1にツナぐようだと、黒2で▲の石をチギっとけば、仮に右辺をシノがれても十分な形勢ですね。最低でも右辺か▲のどちらかは取れるという事なんだと思います。
黒は四隅とった上に白を攻めて、突入してきた右辺もほぼ御用といった感じですから、完勝に近いですね。塔矢行洋と佐為の一局を間近で見てその才能を完全に開花させたヒカルの実質プロ一戦目(本当の初戦はアキラに不戦勝)、その会心の一局でした。このシーンは何度も読み返しましたね。^^

2012/1/24初出→2012/12編集

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